『とんでいったふうせん』胸の奥がじんわりと温かくなる家族の絵本

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『とんでいったふうせん』

この絵本を読んだとき、
声を出して泣くほどではないけれど、
胸の奥がじんわり温かく、そして少し切なくなりました。

『とんでいったふうせん』は、
思い出を「風船」に見立てた物語です。

思い出の風船が、少しずつ飛んでいく

物語に出てくるのは、アルツハイマーのおじいちゃん。
おじいちゃんの中にある思い出は、
色とりどりの風船のように描かれています。

けれど、その風船は少しずつ、
風に乗って飛んでいってしまう。

名前のこと。
昔の出来事。
大切だった記憶。

ひとつ、またひとつと、
おじいちゃんの思い出の風船は空へ消えていきます。

それでも、ぼくの中に残る風船

この絵本が切ないのは、
「忘れていく側」だけでなく、
「覚えている側」の気持ちも描かれているところだと思いました。

おじいちゃんが忘れてしまっても、
ぼくの中には、
おじいちゃんとの大切な思い出の風船が残っている。

一緒に過ごした時間。
笑ったこと。
優しかったこと。

それは、誰にも取られないし、
風に飛ばされることもない。

きっと、誰もが自分の家族を思い出す

この絵本を読むと、
きっと多くの人が、
自分のおじいちゃんやおばあちゃんの顔を思い浮かべると思います。

元気だった頃の姿。
少し弱ってきた頃の姿。
もう会えなくなってしまった人のこと。

それぞれの「思い出の風船」が、
静かに胸の中に浮かび上がる。

とても個人的な気持ちなのに、
不思議と、誰にでも重なる物語です。

切ないけれど、やさしい絵本

『とんでいったふうせん』は、
明るい話ではありません。

でも、怖くも、重すぎもしない。
ただ、とてもやさしく、静かに寄り添ってくれる絵本です。

忘れてしまうこと。
覚えていること。
お別れが近づくこと。

それらを、無理に説明せず、
そっと差し出してくれる一冊。

大人が読んでも、きっと心に残る

子どものための絵本ではありますが、
これはきっと、
大人のほうがじんわりきてしまう絵本だと思います。

忙しい毎日の中で、
少し立ち止まって、
大切だった人のことを思い出したくなったとき。

静かな時間に、
一人で読んでほしい絵本です。

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