『あるヘラジカの物語』かわいそう、だけでは終わらなかった命の話

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舞台はアラスカ。
広い大地で、二頭のヘラジカが激しくぶつかり合います。

強さも、スピードも、迫力も圧倒的。
角と角がぶつかる音や、地面を蹴る力強さが、絵から伝わってくるようでした。

でも、その戦いは悲しい結末を迎えます。

絡み合った角が外れず、
二頭のヘラジカはそのまま動けなくなり、
やがて命を落としてしまうのです。

オオカミが来て、
ヒグマが現れ、
コヨーテが近づき、
最後には、ヘラジカの骨にヒバリが巣を作る。

そんな物語です。

かわいそう、と思う気持ち

正直に言うと、
読んだ最初の感想は「かわいそう」でした。

戦わなければ生きられなかったこと。
角が絡まってしまったこと。
逃げることもできず、他の動物に食べられてしまったこと。

人間の目線で見ると、
どうしても悲しさが先に立ちます。

同時に読んだ『火の鳥』から感じたこと

この本を読んだあと、
同じ鈴木まもるさんの『火の鳥』を読み返しました。

そこにあった言葉が、
このヘラジカの物語と、静かにつながった気がしました。

たべられたものは
そこで きえてしまうのではありません。

バッタにたべられた草は バッタになり
鳥にたべられたバッタは 鳥になり

シカにたべられた草は シカになり
トラにたべられたシカは トラとなって
ちからづよく いきつづけるのです。

命は、消えて終わるのではなく、
形を変えてつながっていく。

ヘラジカも、
オオカミやヒグマの命になり、
やがて大地に戻り、
その骨に巣を作ったヒバリの命を支えている。

そう考えると、
この物語の見え方が少し変わりました。

自然の中では、それが「営み」

人間の感覚では、
助けてあげたい、止めてあげたい、と思ってしまう出来事でも、
自然の中では、それが日常であり、営みです。

生きること
食べること
生かされること

そのすべてが、つながっている。

「残酷だけど、意味がある」
そんな自然の姿を、
この絵本は淡々と、でも力強く描いているように感じました。

子どもにとっては、まず“びっくり”でいい

この本を読んで、
子どもがすぐに「命の循環」まで理解する必要はないと思います。

最初は、
• 迫力がすごい
• びっくりした
• こわかった

それだけで十分。

でも、心のどこかに
「自然って、こういう世界なんだ」
という感覚が、そっと残ればいい。

大きくなったとき、
また読み返したら、
きっと違う受け取り方ができる絵本だと思います。

かわいそう、だけで終わらせない一冊

『あるヘラジカの物語』は、
やさしい話ではありません。

でも、
命の強さと、命のつながりを、
静かに教えてくれる絵本です。

かわいそう、と思ったその先に、
「それでも命は続いていく」という視点をくれる。

そんな一冊でした。

命のつながりを静かに考えさせてくれる一冊でした。
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