『かいじゅうたちのいるところ』|この絵本には「説明されない余白」がある

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『かいじゅうたちのいるところ』(モーリス・センダック)は、
読めば読むほど不思議で、何度も考えたくなる絵本です。

物語はとてもシンプルなのに、
「これは夢なのか?現実なのか?」
「なぜこんなことが起きたのか?」
最後まで説明されません。

でも、その説明されなさこそが、この絵本の一番の魅力だと感じています。

あらすじ(簡単に)

主人公のマックスは、
オオカミの着ぐるみを着て暴れ、お母さんに叱られます。

「夕ごはん抜き!」と言われ、
自分の部屋に閉じこもるマックス。

すると突然、
部屋に木が生え、森になり、海につながり、
マックスは船に乗って「1年と1日」かけて
かいじゅうたちのいるところへ旅をします。

そこでは王様になり、
かいじゅうたちと大騒ぎの日々。

でもあるとき、
「だれかに愛されたい」と感じ、
また「1年と1日」かけて家に帰ります。

部屋に戻ると、
そこにはまだ温かい夕ごはんが置いてありました。

不思議な物語なのに、なぜ心に残るのか

この絵本では、
• なぜ部屋が突然森になるのか
• 本当に旅をしたのか、それとも想像なのか
• 1年と1日経ったはずなのに、なぜ夕飯は温かいのか

どれも説明されません。

普通の物語なら説明が入りそうな部分が、
この絵本ではあえて空白のままです。

その「余白」があるからこそ、
子どもは物語を受け取るだけでなく、
自分で考え、自分の物語を作り始めます。

読み終えたあと、子どもが作った物語

下の子は、読み終えたあとこんなことを言いました。

「かいじゅうの中の一人は、実はお母さんなんじゃない?」

絵の中には、
足が人間みたいに見えるかいじゅうがいます。

そして子どもはこう続けました。

「マックスが船で帰る前に、
お母さんは先回りして家に帰って、
夕ごはんを用意していたんじゃない?」

なるほど、と思いました。

怒って追い出したように見えても、
本当はずっと見守っていて、
ちゃんと帰る場所を用意していた。

これは大人が教えた読み方ではなく、
子ども自身が、この絵本の余白から作った物語です。

正解がないから、何度でも読める

『かいじゅうたちのいるところ』には、
正解の読み方はありません。
• 夢の話でもいい
• 想像の世界でもいい
• 心の中の出来事でもいい

読む子どもの年齢や、その日の気持ちによって、
まったく違う物語になります。

だからこそ、
何度読んでも色あせず、
大人になっても心に残るのだと思います。

想像力が自然に育つ一冊

この絵本は、
「想像しなさい」と教えてくる絵本ではありません。

でも、
説明されない余白があるから、
子どもは勝手に想像を始めます。

読み終えたあとに、
ぜひ子どもに聞いてみてください。

「どう思った?」
「このあと、どうなったと思う?」

きっと、大人が思いつかない物語が返ってきます。

☆『かいじゅうたちのいるところ』は、
一度読んで終わる絵本ではありません。

読むたびに、
• 子どもの感じ方が変わったり
• 大人の受け取り方が変わったり
• その日の気持ちによって、物語の意味が違って見えたりします。

図書館で借りて読むのもいいですが、
家にあって、ふとしたときに手に取れる一冊として
持っておく価値のある絵本だと感じました。

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