駅のホームや横断歩道で、
静かに、でも確実に仕事をしている盲導犬を見ると、
「すごいな」と思う反面、
どこかで「大変そう」「かわいそう」という気持ちを抱いたことはありませんか。
私自身もそうでした。
役目を終えたら、長年一緒にいたパートナーと離れなければならない――
そんな話を聞いたことがあり、
それはあまりにも切ないことだと思っていました。
そんな先入観を、そっと揺さぶってくれたのが
絵本 『ぼく、アーサー』 です。
盲導犬アーサーと、ノリオさんの10年間
この絵本は、盲導犬アーサーの一生を描いたお話です。
目の見えないノリオさんと出会い、
アーサーは彼のパートナーとして日々を共にします。
駅、街、日常のあらゆる場面で、
アーサーは「やらされている」のではなく、
誇りをもって仕事をしている様子が伝わってきます。
そして何より、
アーサーはノリオさんのことが大好き。
ノリオさんも、心からアーサーを信頼している。
二人は「助ける・助けられる」関係というより、
人生を一緒に歩く相棒のように感じられます。
突然訪れる、お別れ
しかし、盲導犬としての役目には終わりがきます。
約10年が過ぎたある日、
アーサーは引退し、ノリオさんのもとを離れることになります。
そのとき、ノリオさんはお別れの場にいません。
読んでいて、胸がきゅっとなりました。
きっと、あまりにも悲しくて、
別れられなくなってしまうからだったのではないか――
そんなふうに感じました。
「かわいそう」だけでは終わらない物語
確かに、別れの場面は切ないです。
でも、読み終えて強く残ったのは、
「かわいそうだった」という感情だけではありませんでした。
アーサーがいたからこそ、
ノリオさんが行けた場所、できた経験、出会えた人たちがあった。
そしてアーサー自身も、
盲導犬として誇りを持ち、
引退後は広報犬として子どもたちの前に立ち、
自分の役割をまっとうしていきます。
読み終えて感じたこと
盲導犬は「かわいそう」な存在なのだと、
どこかで決めつけていた自分がいました。
でもこの絵本を読んで、
アーサーの一生も、ノリオさんの人生も、
出会ったことで確かに彩られ、満ちていたのだと感じました。
別れはあっても、
そこにあった時間が消えるわけではない。
そう思わせてくれる、
静かで、あたたかい一冊です。
※盲導犬の一生と、人との深い信頼関係を静かに描いた一冊です。
「かわいそう」だけではない視点で考えたい方におすすめです。
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